田中大使 御挨拶

令和4年11月30日
田中大使 御挨拶

ジンバブエ大使の田中聡志(たなか さとし)です。早いもので、当地に着任して、約2年が経過しました。
 
着任時のご挨拶の中で、「タナカ」という名前は、ジンバブエでもよくみられる名前で、ショナ語で「We are good.」という意味だとお伝えしました。2年たった今でも、この名前の効き目は持続しています。最近は、日本語ではどういう意味なのかと問われ、「田んぼの中」だと答えると、更に盛り上がります。おそらく、農業国ジンバブエからみると、技術大国日本のイメージとのギャップが面白いのでしょう。
 
これまでの2年間を振り返ると、何と言っても、コロナ感染拡大が最も大きな課題でした。世界中で多数の方が犠牲となり、経済にも大きな影響が生じました。ジンバブエでも、何度も感染拡大の波に襲われ、そのたびに、厳格なロックダウンが行われ、経済に、社会にも大きな影響が生じました。当館だけでなく、すべての大使館において、外交活動が大きく制限されました。現在は、感染の状況はかなり落ち着いてきており、経済活動も、社会的な活動もかなり正常化してきています。
 
今年は、8月にチュニジアでアフリカ開発会議(TICAD)8が開催され、強靭なアフリカの実現など、我が国のアフリカ協力の方向性が議論されました。ジンバブエは、昨今の世界的な経済的課題に加えて、通貨、インフレなど多くの経済的困難に直面しています。しかし、ジンバブエは農業、資源、気候、人材などに恵まれたポテンシャルの大きな国であることは言うまでもありません。その特色を踏まえて、我が国らしい協力を進めていくこととしています。民間セクターの方々の積極的な参画も、期待しているところです。
 
日本とジンバブエとの人の往来も、ようやく再開され、少しずつですが交流の機会も増えています。先般、日本で学んでいるジンバブエ人留学生が開発したジンバブエ初の人工衛星が、JAXAとNASAの協力により宇宙に向けて打ち上げられたニュースは、当地でも大きく取り上げられました。
 
今後とも、政治,経済,文化,観光等さまざまな分野における二国間関係の活発化に微力ながら貢献していく所存です。
 
引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
 
2022年11月
駐ジンバブエ共和国特命全権大使
田中 聡志